食事をすることは、噛むことがセットとなっています。食べ物のおいしさは、よく噛んで食べることで引き出されるそうです。噛むことで食べ物の味の変化や香り、歯ごたえや舌触りなどの食感を楽しむことができます。特に学童期は生え替わりが起こりますので、食べ物を噛みにくくなります。噛む回数を減らさないようしっかりとした指導を行うことが大切です。また、よく噛んで食べることで食べ物が小さくなりますので、消化が良くなり、胃腸へ負担をかけることもありません。他にも唾液の分泌量も増えますので、口内の自浄にもつながるそうです。あまり噛まずに物を食べてしまうと消化に悪い、口内が不衛生になりやすいという反対のことが起こるのはもちろん、満腹感を感じにくくなるそうです。胃に食べ物が入ってから満腹感を感じるまでに、20分の時間が掛かるとされています。よく噛んでゆっくりと時間をかけることで、食事の満足度も上がります。
年齢と共に歯の本数が減っていき、硬いものを食べることが億劫に感じる人も増えるそうです。やわらかく噛まずに飲み込めるものは食事が楽ですが、顎の力や食べることの満足感を減らしてしまうことになります。食事の偏りから栄養バランスが崩れることも考えられるでしょう。歯が20本以上残っていれば、ほとんどの食べ物をおいしく食べることができると言われています。抜けた部分は入れ歯を利用するなどをして、咀嚼の回数を増やすようにしましょう。日本人の咀嚼回数は、戦前に比べて半数ほどに減ったと言われています。これはハンバーガーなどの外国のやわらかい食べ物が入ってきたことで、噛む必要が低くなったことが理由と言われています。かたい食材を選ぶなどの工夫をしながら、意識的に咀嚼回数を増やしていく必要があると言えるでしょう。