入歯を使用している方々は、日本に生まれたというのはある意味幸せと言えるかもしれません。というのも、普通に機能する入歯であれば煮物や焼き魚といった和食は無理せず食べられるという物が多いからです。とはいえ、漬物など硬いものも勿論あるので一概には言えませんが。一般的に、入歯が大の苦手とする食材にパンの耳(焼いていない生食パン)があげられます。「パンの耳って柔らかい方なのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、実はというとむしろトースト等で焼いた状態の方が食べやすいのです。パンの耳は絶妙に噛みきれないのだと言います。パンの耳が食べられるようになれば、あごの状態も噛む技術も「一級品」と言ったところでしょう。人というのは、ついついマイナス面に考えが行ってしまうように思います。例えば、「入歯になって硬い物が食べられない。大好きなステーキはダメ、パンの耳もダメ、漬物も煎餅もダメ。」という風に。一方で、「和食が食べられました。」「ピーナッツがいけました!」と喜んでくださる方もいます。どうせならば後者のように、入歯によって獲得した物を嬉しく感じる方にもっていきたいものです。