歯槽膿漏であげられる処置として、抜けた後のインプラント(人口歯根)と、抜けそうな時の人工骨の埋め込み作業があります。歯槽膿漏で歯が抜けてしまうというのは、歯茎の中の骨が溶けた事によって歯が支えを失うためです。
その溶けた骨の後を、人工の骨材で埋める事が出来れば、一見すると大変光明にも思えます。ですが、「この症状にはぴったり」という患者さんに限定して、尚且つ上手に埋め込む事が大前提になると主張する専門家もいらっしゃいます。
人工骨材には、水酸化アパタイト(顆粒状のセラミックス)を使用します。人工歯根の1種として、また骨の代用品としても使用されています。手術で歯茎を開き、骨を露出させて溶けた骨の部分にアパタイトを盛ります。
上手くいくと数週間で粒の周りに本物の骨が出来始めます。半年~1年もすると、粒の塊を骨がすっかりと包み込みます。一見無害にも思えますが、異物ではある為、埋めこまずに済むならそれに越したことはありません。
ただし、根の先付近まで溶けていて、努力しても抜けてしまいそうという場合には、急ぎ骨移植でしのぐ事で乗り越えられる症例もあります。自分の骨を使用するのが困難という場合には、やむを得ずにアパタイトを用いるという優先順位になります。
アパタイトを山盛りにしてしまうと、顆粒排出によって失敗してしまいます。控えめに埋め込む・ルートプレーにングをきちんと行い、滑沢な歯根面にしておく事。このような細やかな処置により、症例を選べば8割は成功すると言います。