訪問歯科診療

歯科に通院できない人々の自宅や、老人ホームなどの住居施設に、ドクターや看護士が訪問して、診察を行なうことを、訪問歯科診療と言います。緊急時や、突発的な傷病に対して、診療を行なう場合は歯科の往診と呼ばれていますが、「訪問歯科診療」とは、ドクターや看護士が、定期的に自宅や施設を訪問し、治療計画や、治療方針を決定し、診療を行なうことを言います。ついこの間までは、療養の必要な老人、高齢者と言えば、病院に入院しているイメージがありましたが、介護保険制度の導入、医療制度の問題などから、病院への入院が制約されてきているため、自宅、老人ホーム、グループホームなどで、在宅医療を受ける高齢者の数は、年々、増加しています。また、そのような在宅医療が、今後、私たちの社会を支える上で、重大な役割を見こまれることは、超高齢化社会を目の前に、明確なことであると常々、言われてきましたが、皆さんの意識の中で、そのような在宅医療がどの程度、必要不可欠な医療として認知、認識されているでしょうか?国としても、「在宅療養支援診療所」、「在宅療養支援病院」の普及を目指しているとされています。

●在宅療養支援診療所・・・24時間体制で在宅医療に対応する医療機関

●在宅療養支援病院・・・24時間体制で在宅医療に対応する病院 在宅医療の普及の中でも、「訪問歯科診療」の役割は、在宅医療を必要とする人びとの需要の中でも、大きいのではないかと考えます。寝たきりの看護を受ける人々にとって、毎日の食事を楽しむという喜びは、健常者以上にあるかもしれません。超高齢化社会と言われている、2025年を前に、在宅医療システムについて考えてみました。歯医者さんに、治療に行きたくも簡単には行けない高齢者、入れ歯のメンテナンスをしたくとも歩行が困難な年配者たちが、在宅で歯科医療を受けられることは、理想社会としての夢語りではなく、現実化させていかなくてはならないミッションなのではないかと考えます。