暮らしと歯磨き

朝起きて歯を磨く、そんな日常的な行動を意識的に行うかどうかで歯の一生が変わる。そんな歯科医のアドバイスを診察室の椅子に持たれながらうなずき聞いてはいても、診療後、窓口で診察料金を支払い、歯科医院の出口を出る頃には、さて治療後に何を食べようかな・・?そんなお気楽なことを考えながら、スーパーや喫茶店に立ち寄る風景は、私自身の中では、いつもの歯医者の帰り道です。歯の悩みは、痛みや、その存在を失ってから後悔をすることが常ですが、今回は、歯科での治療中のアドバイスを、思い返してみようと立ち寄った喫茶店で、おもむろに思い出しました。今日の治療は、大掛かりな治療というよりも、数ヶ月に一度は通おうと決めている、歯石をとるという、検診的なものでした。もともと歯石の付きやすい口内環境らしく、歯石を除去している時に、いつも初老のドクターは、歯を磨く時のアドバイスを、呪文のように唱えるのですが、耳元に響き渡る歯科特有の機械音と、歯石除去に伴う痛みがその呪文をかき消してしまいます。立ち寄った喫茶室で、運ばれてきたアイスティーが、治療した歯にしみるのをこらえながら、ドクターのアドバイスを思い出してみました。

  • 歯ブラシは、古くなると細菌の巣のようなものです。定期的に歯ブラシを換えて下さい。
  • 検診に来ると、いつも同じところに磨き残しがあります。タテ、ヨコ、ウラ、オモテと意識的に歯ブラシを動かして下さい。

そんな難しいことは、言っていないのですが、たしかに、半年くらい同じ歯ブラシを使っている気がしますし、歯磨きをする時も、なんとなく、歯磨き粉が全体に行き渡ったところで、うがいをしているので、自分の歯ブラシの動きなどには何の意識も向けていませんでした。こんな簡単なことを、ドクターに毎回、指摘されていたとは思いもしませんでした。それくらい、歯磨きを雑に考えていたのだなぁと反省しました。